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【スタイリスト講座 -M’s DRESSING ROOM-】vol.6

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コンテンツエリアでは、電脳音楽塾オンラインサロンに投稿されている有料オンライン講座から、一部をご紹介しています。今回のコラムは、スタイリスト&衣装デザインの「吉原未奈子」が担当。

【吉原未奈子プロフィール】

【スタイリスト講座 -M’s DRESSING ROOM-】vol.6

“SPIRITS” hide with Spread Beaver
衣装製作のこと③

今回は、前回から続いてきた”hide 20th memorial live “SPIRITS”のhide with Spread Beaverの衣装製作について、最後の回になります。デザインが決まり、その後製作、完成を経て、ライブ当日までのことについてです。

さて、デザインが決まった後はひたすら作るのみ。衣装製作の行程に関しては、また改めて詳しくお話しようと思いますが、前回にもご説明したように、衣装の製作は大まかに、次の通り。

①デザイン決定 →②素材(生地など)探し→③パターン製作→④仮縫い→⑤材料調達→⑥裁断→⑦縫製→⑧フィッティング→⑨修正→⑩完成。

この時は、他の案件とも重なっていたので、寝食の時間もままならない日々が続き、かなりのバタバタで進みました。ライブ衣装の製作は見た目は勿論ですが、特に機能性も考慮しなくてはいけません。例えばDIEさんとCHIROLYNさんに使用したハーネスにはバックルを外さなくてもスムーズに着脱出来るように、隠しボタンの取り付けや、動いた時に、ハーネスが演奏の邪魔にならないように、ベルトループを付けて固定させるなど、機能性を補強する地味な作業が沢山あります。

出来上がった衣装は必ず本番前にフィッティング(衣装合わせ)を行います。今回は、ライブ前日に行われたゲネリハ(通しリハーサル)時にも着用してもらい、演奏、パフォーマンスに支障がないかを最終チェック。リハの時、私は、観客エリアのいろんな場所へ移動してチェックします。左右中央、1番後ろのブロックまで行き、1番後ろにいる人にはどう見えるかを確認します。 それで、スパンコールの部分を少し増やす等、最終調整を行いました。

実は…今だから笑って話せますが、ゲネリハ前日にヒヤリとすることがありました。真夜中に泣きそうになりました…。もしかして、これが皆さんが言うhideさんの悪戯!?…と思ったりもしましたが…。(笑) 何とか、ピンチを乗り越えて、ゲネリハで、無事に衣装チェック完了!!本当に、過去最大に焦りました…。

そして、そんなこんなを乗り越えて(?)いよいよライブ当日。楽屋に衣装をハンガーラックに並べてスタンバイ。靴も用意します。

今回、ゲストにはPATAさん。みんなの衣装の胸に付けたロゴのワッペンを見て”いいなぁ、俺も付けたい”と一言。そんなこともあろうかと(?)予備のワッペンをいくつか持っていたので、”いいですよ、付けますよ〜”と急遽、PATAさんの衣装のジャケットの腕にワッペンを付けることに。

2日間に渡って行われた今回のライブですが、1日目の1曲目は、”ROCKET DIVE”でした。そして2日目の最後の曲も”ROCKET DIVE”。この曲で始まり、この曲で終わることを、私は知りませんでしたが、偶然にも、今回の衣装は、”ROCKET DIVE”からインスパイアされたものでした。前々回、衣装コンセプトの回でお話したように、衣装に関しては、これといった打ち合わせはなく、基本的には、お任せして頂いた形でしたが、今回のタイミングでは”ROCKET DIVE”へのオマージュとなる衣装がベストだと思って作ったので、私の中では点と点が繋がり、線になった気分でした。

ライブ中は、また1番後ろのエリアに行って確認しました。遠くからでも目立つようにと付けたラインのスパンコールは、後ろから見てもキラキラと輝いていました。

2日目、野外ステージの上の夜空に浮かんでいた月が綺麗だったこと。最後にステージでメンバーが手を繋いで万歳した姿を後ろから捉えた写真にも綺麗な月が浮かんでいました。私の個人的な主観(空想)ですが、最初と最後の曲が”ROCKET DIVE “だったこともあり、まるで、hideさんが宇宙から地球を見て、何かキラキラ光ったところでみんなが楽しそうにしてる!とロケットに乗ってお台場にやって来て、2日間のライブが終わってまたロケットに乗って宇宙に帰って行く、それをみんなで見送るかの如くの様に見える、そんな素敵な光景が写し出されていました。

ライブが終わって、この時に衣装に込めた思いや意図することを、特に今まで語らずにいたのですが、SNSを通してファンの方々から、有り難い、温かい言葉をたくさん頂きました。私が敢えて言葉で語らずとも、衣装を通して伝わっていたのなら、これ程嬉しいことはなく、スタイリスト冥利に尽きます。 私は基本的に1人で仕事を行なっていて、製作は孤独な作業なので、そういった言葉が創作する上で何よりも励みになります。

そして、そんな想いを言葉にして伝えてくれる、hide with Spread Beaverのファンの皆さんは、本当に素晴らしいなと思いました。ファンは、アーティストの鏡という言葉があるけれど、本当にそうだなと改めて感じました。

hideさんが旅立って20年の節目に行われた2日間のライブ。そんな記念すべきライブに関われたことを改めて光栄に思います。きっと関わった人、それぞれにいろんな記憶が残ったと思いますが、後から思い出した時に、誰かの記憶の片隅に衣装のことも少しでも残っていたなら、幸いです。

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*こちらのコラムは、2019/6/26 電脳音楽塾オンラインサロンに投稿されたものです。

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(協力)株式会社ヘッドワックスオーガナイゼーション

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